超音波を用いたスマートフォンの屋内3次元位置推定

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1 概要

スマートフォンの急速な普及とともに、位置情報を利用したアプリケーションが数多く見られるようになった。 身近な位置推定手法として GPS があるが、GPS は屋内での位置を推定できない。 そこで近年、様々な屋内位置推定手法が研究されている。 本稿では位相一致法と呼ばれる、高精度超音波測距方式を応用したスマートフォンの屋内3次元位置推定手法について述べる。

2 事前知識

2.1 信号検出手法: 位相一致法(PAM)

  • バースト信号を用いた従来手法の問題点
    • 受信信号の両端が歪み、計測誤差を生む
  • 位相一致法
    • 受信波形の中心部分だけを用いて、受信時刻を正確に計測
  • 使用する信号 (図1)
    • 2つの正弦波を重ねたうなり(sync pattern):
    • 周波数差500Hzのとき、周期 T=2[ms]
図1.sync pattern
./sympoimg/syncImage.png

2.2 位置計測手法: ToAとTDoA

  • 屋内に送信機を設置し、信号を送信
  • スマートフォンの内蔵マイクで受信し、位置推定を行う
  • ToA (Time of Arrival) 図2
    • 各送信機からの伝播時間を計測
    • 伝播時間計測のために時刻同期が必要
図2. ToAの概要(二次元図)
./sympoimg/tof.png
  • TDoA (Time Difference of Arrival) 図3
    • 複数の送信機からの到着時間差を計測
    • 時刻同期が不要
図3. TDoAの概要(二次元図)
./sympoimg/tof.png

2.3 信号通信手法:TDMとFDM

  • 時分割多重化 ( Time Division Multiplexing: TDM)
    • 送信機にタイムスロットを割り当て、順番に送信
    • 1 回あたりの計測時間が長い
  • 周波数分割多重化 ( Frequency Division Multiplexing: FDM)
    • 周波数帯域の異なる信号を全送信機から同時に送信
    • 受信機にて同時に受信し信号を分離
      • sync pattern は正弦波の重ねあわせなので、分離が容易

3 提案手法 : 周波数分割多重化による位相一致法 (FDM-PAM)

  • 位置計測手法:TDoA  信号通信手法:FDM を使用
    • TDoA : 同期が不要 → セットアップが容易
    • FDM : 単位時間あたりの計測回数 (update rate) が多い
  • 送信機間の距離 ( 基線長 ) は短くする
    • すべての信号をほぼ同時に受信するため

    →セットアップが容易になる

4 シミュレーション・実験

  • 4 つの sync pattern
    • 8つの搬送波 (14.75kHz, 15.25kHz, … ,18.25kHz) から作成

  - 長さ:うなりの 2 周期分 (2T ) :図4

図4.sync pattern
./sympoimg/sync2Image.png
  • 実験環境

./sympoimg/spk.jpg ./sympoimg/envg.jpg

  • 実験
./sympoimg/noise.jpg./sympoimg/exp.jpg
ノイズシミュレーション実測実験の結果
x,y,z方向の標準偏差x,y,z方向の標準偏差
(0.243, 0.298, 0.018)[m](0.162, 0.321, 0.071) [m]

5 結論と今後の課題

スマートフォンを対象とした 3 次元屋内位置認識システムを 提案し、その性能を確かめるための実験を行った。測位の update rate を上げるため、スピーカ間の基線長を短くする と測位精度が悪化することをシミュレーションと実測で確認 した。今後は更なる実験を通して提案手法の性能向上を目指 す予定である。

6 発表資料


日付: 2013-10-21T12:48+0900

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