Introduction

 携帯電話、PDA、音楽プレーヤーなどの、 モバイルデバイスは社会に広く普及し、 日常生活においても重要な役割を担っています。 モバイルデバイスは、ほぼ極限ま で小型化、軽量化されました。 また、高機能化、多機能化され、 さらに便利なツールとして勢力を拡大しています。 しかし、モバイルデバイスにも解決しなければならない問題があります。 その1つとして、インターフェイスの問題があります。 モバイルデバイスは小さいので、スクリーンや入力装置も小さいです。 そのため、大きな画像が表示できなかったり、ボタンが小さかったり、 少なかったりして入力に手間取ったりといった問題点があります。

Hybrid Touchの写真  私の研究では、モバイルデバイスの裏側を用いることで、直感的で効率的な入力ができるのではないかと考え、新しい入力インターフェイスを提案しています。私の考案した入力手法、"Hybrid Touch"では、PDAの裏側にタッチパッドを取り付け、裏面からの入力ができるようにしました。(写真右) これにより、PDAの表と裏から両手で同時に入力することができます(写真左)。

 具体的にどのようなことができるかというと、次のようなことができます。言葉で説明しても分かりにくいので、ムービーがあります。(注意:20MB) もう1つあります。こっちはスムーズに動きます。(注意:14MB)

1.
 背面から指で触れることで、画面内の文章や、画像などを動かすことができる(=2次元スクロールができる)。
 片手でWebページや画像を快適に閲覧することができる。
 スクロールしながら書く(描く)、といった操作によってPDAでメモを取るのが簡単になる。
 十字キーなどと違い、スクロールの量を調節できるので使いやすい。

2.
 両手の入力の組み合わせでズームイン・アウトができる。
 ペンで画面内の任意の点を抑えると、その点をズーム中心点として、ズームモードに替わる。その状態で背面の指を上下に動かすことにより、拡大・縮小が行われる。
 このズームは、動作が簡潔である、見たい点をダイレクトに指定できる、ズームの量を画面を見ながら調節できる、といった点で使いやすい。  

 対応するアプリケーションとして、地図閲覧ソフト、ドローソフト、(いまいちな)表計算ソフトを製作しました。